
虫歯治療・根管治療
急な痛み・しみる・詰め物が取れた等、まずはお気軽にご相談ください。できるだけ歯を残すことを第一に、患者さまのご希望とお口の状態に合わせた治療をご提案します。
虫歯(う蝕)とは
お口の中の細菌が糖を分解して酸を作り、歯の成分(カルシウムやリン)を溶かす病気です。初期の虫歯は痛みが出にくく、気づかないうちに進行します。
よくある症状
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冷たいもの・甘いものがしみる
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噛むと痛い、ズキズキする
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歯の表面が黒い/穴があいた
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詰め物・被せ物が取れた
放置するリスク
進行すると神経(歯髄)に炎症が及び、強い痛みや腫れが出ます。最終的には歯を失う原因になるため、早期発見・早期治療が重要です。
虫歯の進行別・主な治療方法
痛みや進行度、歯の位置やかみ合わせ、見た目のご希望、治療回数やご予算などを総合的に考慮して最適な方法をご提案します。
1)初期虫歯(エナメル質内)
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経過観察・再石灰化促進:ブラッシング指導、フッ素塗布、生活習慣の見直し。
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予防処置:必要に応じてシーラント(溝のコーティング)。
2)中等度(象牙質に達する)
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コンポジットレジン修復(白いプラスチック):その日のうちに形を整えられることが多い。
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インレー(詰め物):型取りをして製作します。素材は金属・セラミックなど。
3)広範囲・歯質が少ない場合
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クラウン(被せ物):歯全体を覆って強度を回復させます。金属、ハイブリッド、セラミックなどから選択。
4)神経に近い/露出の可能性がある場合
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覆髄(直接・間接):神経を保護する薬剤を用いて歯の保存を図ります。状態により適応を判断します。
虫歯が神経まで進むと、**根管治療(歯内療法)**が必要になることがあります。以下で詳しくご説明します。
根管治療(歯の神経の治療)
根管治療の目的
歯の内部(根管)にある感染した組織や細菌を取り除き、内部を洗浄・消毒したうえで密封し、歯を保存する治療です。痛みや腫れの改善、再発予防が目的です。
根管治療が必要な主なケース
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虫歯が深く神経に到達した
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強い冷温痛、夜間痛、噛むと痛い
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歯の根の先に膿の袋(根尖病変)がある
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以前の根管治療後に痛みや腫れが再発した(再根管治療)
治療の流れと回数の目安
1. 診査・診断:レントゲン・打診・視診などで状態を確認します。
2. 麻酔:痛みを最小限に抑えます。
3. 歯のアクセス形成:歯の上部から根管入口まで道を作ります。
4. 感染の除去と根管形成:専用器具で根管内の感染物質を丁寧に取り除き、根管の形を整えます。
5. 洗浄・消毒:薬液で繰り返し洗浄・消毒します。
6. 根管充填:乾燥後、薬剤で根管を隙間なく封鎖します。
7. 土台・被せ物:歯の強度を回復させるため、コア(土台)を築造し、被せ物で保護します。
症状や根の形態により回数は異なります(目安:1〜数回)。奥歯は根の本数が多く、期間がかかることがあります。
治療中・治療後の注意
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治療中の歯は割れやすいため、硬い物を噛むのは控える
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指示された受診間隔・期間を守る
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一時的に痛みや違和感が出ることがありますが、多くは数日で落ち着きます
再根管治療について
過去の治療で十分に清掃・封鎖できていない、被せ物の隙間から細菌が侵入した、歯の中に亀裂がある等で炎症が再発することがあります。状態を精査し、再根管治療や、場合により外科的歯内療法(根尖切除など)をご提案します。
保存が難しいと判断される場合
ひび割れが大きい、歯質が極端に少ない、歯周病の進行が重度などの場合、抜歯が適応となることがあります。その際はブリッジ・入れ歯・インプラントなどの選択肢をわかりやすくご説明します。
素材・修復方法の選び方(概要)
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レジン(保険適用の白い詰め物):小〜中程度の虫歯に。即日修復が可能なことが多い。
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メタル(保険適用の金属):耐久性に優れる。見た目は金属色。
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セラミック(自費):見た目・耐摩耗性に優れる。変色しにくい。
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ジルコニア(自費):高強度で審美性も両立。
見た目、強度、耐久性、費用、治療回数などを比較し、メリットと留意点を丁寧にご説明します。
よくある質問(FAQ)
Q. 痛みはありますか?
A. 麻酔を使用し、痛みを最小限に抑えるよう配慮します。処置後に違和感が出ることがありますが、数日で落ち着くことが一般的です。
Q. 何回くらい通院が必要ですか?
A. 虫歯の大きさや根の形、炎症の程度で変わります。小さな詰め物は1回で完了することもあります。根管治療は1〜数回が目安です。
Q. 神経を取ると歯はどうなりますか?
A. 痛みは改善しますが、歯はもろくなるため、被せ物での補強が必要になることが多いです。定期的な検診で長持ちさせましょう。
Q. 保険は使えますか?
A. 多くの虫歯治療・根管治療は保険適用範囲があります。素材や方法により保険・自費が異なりますので、事前にご説明します。
Q. 治療しない選択は可能ですか?
A. 初期の虫歯は経過観察で進行抑制を試みる場合もありますが、進行性の場合は治療が必要です。放置は痛み・腫れ、抜歯のリスクを高めます。
予防と再発防止
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正しい歯みがきとフッ素の活用
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食習慣の見直し(砂糖の頻回摂取を控える)
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定期検診・クリーニングで早期発見
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詰め物・被せ物の不具合を放置しない
当院の方針
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できるだけ歯を残すための治療提案
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丁寧な説明となるべく痛みに配慮した治療
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ライフスタイル・ご希望に合わせた複数プランの提示
初診・セカンドオピニオンも承ります。お気軽にご相談ください。